令和6年度 学校経営方針
「歌声と笑顔あふれる神根中」
川口市立神根中学校長 松村 一人
1 学校経営方針============================
全教職員が学校教育目標の実現に向けて、積極的に学校経営・学校運営に参画し専門職としての指導力を発揮できるように、その場づくりを管理職や主担当が行う。
「学校課題は自分の課題である」という意識を全教職員が常に持ち、組織の一員として協働体制を確立し、「チーム神根」としてONE TEAMで課題解決を図る。その取り組みや日常の指導・支援を通して、生徒一人一人の自己実現を目指し、あいさつと「歌声と笑顔にあふれる活力ある学校づくり」を目指す。そして、聴き合い、学び合える生徒同士の人間関係づくりを全教職員で支援し、「居心地の良い学校づくり」を目指す。
2 学校教育目標============================
《学校教育目標》 主体的に学び合い、心豊かでたくましい生徒(めざす生徒像)
・本校の教育は、教育の目的(人格の完成をめざし、かつ平和的民主的な社会の形成者としてふさわしい資質を備えた心身ともに健康な国民の育成)を実現するために、学問の自由を尊重しつつ、本校教育目標を達成するように行われるものとする。
①幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を 養うこと。
②個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自立の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。
③正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
④生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。
⑤伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。
(①~⑤:教育基本法(教育の目標))
《目指す学校像》 生徒一人一人を大切にするあたたかな学校
具体的には、
(1)学び合える人間関係がある居心地の良い学校
(2)生徒が一人残らず学びに夢中になる学校
(3)いじめがあってもすぐに解決する学校
(4)不登校生徒を見捨てず、解決策を家庭・他機関と共にさぐる学校
(5)生徒一人一人が活かされる場面がある学校
(6)心のこもった明るく元気なあいさつと笑顔があふれる学校
(7)安全で整備された環境のもと、きれいな歌声が響く落ち着いた学校
(8)教職員も生徒も人権を尊重しあい、安心して学ぶことのできる学校
(9)保護者や地域の方々と共に歩む、地域に根ざした信頼される開かれた学校
(10)困難に立ち向かえるたくましさ(=心の強さ)を育てる学校
(11)主体的に自分の健康管理ができる生徒を育てる学校
(12)体力向上に向けて自ら取り組める生徒を育てる学校
《目指す教師像》生徒一人一人を大切にし、あたたかく接する教師
具体的には
(1)生徒同士が「聴き合い、学び合える」人間関係づくりを行う教師
(2)生徒が学びに夢中になる授業を行う教師
(3)いじめがあってもすぐに解決する(解決しようと取り組む)教師
(4)不登校生徒を見捨てず、解決策をさぐる教師
(5)生徒一人一人が活かされる場面をつくる教師
(6)心のこもった明るく元気なあいさつと笑顔があふれる教師
(7)安全で整備された環境をつくり、きれいな歌声づくりに取り組み、落ち着いた学校づくりに尽力する教師
(8)教職員同士や生徒の人権を尊重し、安心して学ぶことのできる学校づくりに尽力する教師
(9)保護者や地域の方々と共に歩む意識を持ち、保護者や地域を大切にして、開かれた学校づくりに尽力する教師
(10)心の強さを引き出し、育てることに尽力する教師
(11)主体的に自らの健康管理ができる生徒を育てる教師
(12)体力向上に向けて、生徒が自ら取り組ませることができる教師
3 育成を目指す資質能力【三つの柱】====================
(1)何を理解しているか、何ができるか(生きて働く「知識・理解」)
(2)理解していること・できることをどう使うか(未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力等」の育成)
(3)どのように社会・世界とかかわり、よりよい人生を送るか(学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力・人間性等」)
4 本年度の重点・努力点==========================
〇学力の向上を保障する「学習指導」の充実
・「学びの共同体」の実践を通して、生徒を学びに夢中にさせ、学力向上の基礎とする。
・必要に応じて、効果的なタブレットPCの授業活用。(PCも文房具の一つ)
・まずは、生徒を学びに夢中にさせる。学習規律は、思いやりと優しの表現。意欲・興味・関心を高めることで、学習習慣の定着に結びつける。
・ねらいを明確にし、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業の実現。
・学び合うことで言語活動の充実を図り、思考力・判断力・表現力を育成する。
・体力向上を目指す体育的活動の充実、継続した体力向上を図る取組。
・外部指導者を招聘し、積極的な授業研究を通し指導力・授業力の向上を図る。
・先進校(パイロットスクール)への授業視察を全員が行い、教師自身の見識を深める。
・体験・実験・操作的活動を増やし新たな指導法習得に努める。
・補習、家庭学習、学力学習状況調査の活用等に組織的に取り組む。
【測定指標】全国・県の学力学習状況調査のレベル向上
〇道徳教育の研究と推進
・全体的視野に立って、全教職員の共通理解のもとに校内生徒指導体制の充実を図る。
「★教師による威圧、暴言、恐怖、体罰、差別」を完全排除した学校を宣言する
【上記の★は、生徒を大切にしていない。】
・教師と生徒の信頼関係、生徒相互の人間関係を深め、豊かな体験を通した、内面に根ざした指導及び教育相談の技法や態度を身につける。
・考え議論する道徳の授業研究を通して、豊かな心を育む教育を推進する。
・静かで潤いのある教育環境の整備・拡充に努める。
・神根スタイルの更なる進化・深化を全教員で図る。
【測定指標】自分には良いところがあると思う生徒の割合向上、読書量の向上、いじめ認知件数に占める、いじめの解消しているものの割合の改善
〇安心・安全な学校づくり
・学校生活における規則の遵守及び授業規律を確立する
・交通安全教室や登下校指導をとおし、ルールマナーの徹底を図る。
・施設、設備の定期点検と、危険未然防止を図る。全教職員による迅速な修繕。
・災害時の地域住民避難所と生徒の学びの保障の場の両立を図る対策協議を強化
【測定指標】交通事故件数の減少
〇学校・家庭・地域の教育力向上と学校との連携・協働の推進
・社会貢献ボランティアや生徒ボランティア活動、学校応援団やおやじの会のの活用。
・地域・PTA行事等への協力及び参加。
・小学校、家庭・地域社会、警察等関係諸機関との緊密な連携を図り、学校と取り巻く社会総がかりで生徒の健全育成活動を推進する。
・学校からの積極的な情報発信。(特にHPの改善・更新を適切に行う。)
【測定指標】子育ての悩みや不安を相談できる人がいる保護者の割合の改善。
〇新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導体制の整備
・ふれあいデー、リフレッシュデーを活用した家庭の時間、地域貢献の時間の確保。
・メリハリのある生き方を求め、夢を語る教職員集団となる。
・互いに健康を気遣い、多忙感、校務負担の軽減を目指す。
・業務改善会議【カエル会議】を適宜行い、校務負担の軽減を適宜検討する。
・適宜職員の親睦を深め、和をもって尊しとなす。
・勤務時間内に全ての業務を終わらせることを目指す。
(生徒の最終下校時刻は、勤務時間終了時刻とあわせる。)
【測定指標】授業時間数確保の向上と改善、かつ、1週間当たりの学内総勤務時間及び1日当たりの事務時間の短縮
〇目指す学校像と目指す教師像を実現する
・生徒を信頼し、生徒に信頼される教師を目指し、その結果、家庭にも信頼されることを目指す。
・生徒第一主義が実感されるように全教職員で取り組む。
【測定指標】学校の教育活動に対する家庭の満足度調査での肯定的評価95%以上。
〇教職員事故ゼロの継続
・「是々非々」とした姿勢と行動。
・地域や保護者から常に見られているという意識。
・「ヒヤリハット」を次の改善に生かす。
・24時間365日教育公務員。
・4月1日~5月31日:「年度当初教職員事故防止強化運動期間」。
【測定指標】教職員事故・施設事故・金銭事故等 全てゼロ。
5 具体的取組案(日課)========================
★【コロナウイルス感染拡大対応に伴う変更は別】
・「通常日課」「テスト日課」を基本とする
・全体の職集は火・木曜の16時30分~16時40分(ただし、委員会活動等の日はなし。)
・毎朝の職員のあいさつはなし。
・生徒は8時15分昇降口通過、8時20分教室着席し、8時25分までに出席確認と連絡。
・清掃時間は、移動を含めて20分に収める。(教室への戻る時間を含む。)
→毎週末日を無言清掃。
・帰りの会を明確にする(終わっても教室から出さない、オーバーもなし)
・部活開始時間を明確にする。
(帰りの会終了後20分後。ただし、準備等を生徒が自主的に行うことは妨げない。)
6 具体的取組案(年間計画)===================
★教職員チームワークの高まりを継続し、生徒と向き合う時間の拡充を図る
◆柱1 学力向上(授業確保と授業指導力研究)
【学びの共同体の実践】
・授業の相互参観(年12回以上)・・・ただし1回5分程度でも可。実践後は「生徒は何を学んだか」を授業者に伝えること。
◆柱2 部活動の適正化
・部活動の加入は自由加入制(令和4年度2学期より)。
・退部者は他の部活に転部しなくても良い。
・本校の策定した部活動方針に則りすすめる。
・前月末に計画表の提出、保護者への配布(計画表の作成は別紙参照)
・平日の部活動は週3日(月・水・金)。勤務時間内に終える。
・月の行事予定、年間行事予定、日報に平日の休養日を明記する。
・公式大会2週間前から平日30分の延長可。合計8日以内。
・公式大会2週間前のみ、土日連続部活を可とする。ただし休養日を必ず割り振る。
・朝練はなしとする(公式大会2週間前も含めて朝の活動はなし。)。
◆柱3 教職員の研修研鑽の充実
★仲間と共に、教師自らが学ぶことの楽しさを知り、授業力向上を目指し続ける人となる
・職員会議の内容を精選して減らし、学年会や運営委員会を充実させる。
・校内研修の内容は精選し、重要度の高いものに時間をかける。
・職員室の整備を進め、学び合うにふさわしい空間作りをすすめる
(書類を山積みせず、対面者との空間を広げる)
◆柱4 ワークライフバランスとチームワーク増進
★辛苦を共に乗り越え人間成長を図りながら、「仕事」の外側にある世界での充実も図る人となるようチームづくり、支援体制づくりに取り組む
・年間8日の定期テスト日を利用して学年ごとに一人1回以上の年休取得
・年休取得が進めやすくなるように、担任・副担任、誰であっても共通に指導が入る学年や学校統一指導体制を整える
◆柱5 仕事がはかどる職場づくりの推進。(職員室・教室・特別教室 他)
★整理・整頓を徹底する
整理:「いるもの」と「いらないもの」を分け、「いらないもの」は捨てる。
整頓:「必要なもの」を「必要なとき」に「必要なだけ」取り出せるようにする。
〇片付けは雑務ではない。「仕事そのもの」である。
〇書類を取り出すのは「10秒以内」。
〇「捨てる」とは、自分と向き合うこと。
〇「いつかは使う」には期限をもうける。
〇「いらないもの」探しは壁際・ロッカー・机の下から。→いらないものは、無駄を省く宝物。
〇「発注点」を定める。
〇ものの「住所」をきめる。他人が探してもすぐ分かるように。
〇「使う頻度」が低いものはシェアする。
〇PCで扱うデータも「住所」を定め、捨てる基準を設ける。
《チェック》
□引き出しの一番奥にあるものを即答できますか?
□デスクの上にある書類で1カ月以上触れていない書類はありませんか?
□デスクに書類を積んでいる人に仕事ができる人はいない!
□仕事に追われる人の3分類<先送り><もったいない><何かあったら?>
□やらないことを決める→自分が生きる。
□書類は読み終えた瞬間に捨てる。
(書類の大半は、一定期間を過ぎたら捨ててしまっても問題のないものばかり)
□机の引き出し1つからスタート。断捨離はトライ&エラー。菜箸一つ捨てることだけでもOK。
□ますは行動(気分・やる気は行動に連動する。)
*この項目(柱5)についての参考文献。
・『トヨタの片付け』 (株)OJTソリューションズ 発行:KADOKAWA
・『図解 トヨタの片付け』 (株)OJTソリューションズ 発行:KADOKAWA
・『トヨタ流5S 最強のルール』 原マサヒコ 発行:大和書房
・『鬼速片付け』 吉川永里子 発行:アスコム
◆柱6 発達に課題のある生徒への対応
★発達に課題のある生徒でも安心・安全に楽しい学校生活を送らせる配慮
・女子制服のズボンも可。(R4年度より):LGBT対応
・ユニバーサルデザインの研究と実践・・・教室掲示物の精選。
◆柱7 教職員の負担軽減に向けてあらゆる可能性をさぐり、効果的な策を実践する。
・カエル会議の適宜実践(運営委員会にて)
・「神根中 業務改善スタンダード」に沿っての取組み
7 登下校安全指導対策について==================
★交通安全指導の推進が本校の学校課題の筆頭であり、地域保護者からの自転車ルールマナー徹底の要望は常に高い
◆柱1 自転車通学路の変更から定着へ。
・北川口陸橋下、オリンピック道路横断地下道を自転車通行。
帰りは複数人で通過許可から「不審者等に留意して通過」にかえる。
◆柱2 教員、保護者による登校指導
・教師による登校下校指導の継続と取り締まり強化。
・保護者による朝の街頭指導を設定(3年目)
一人年2回、学校の指定する街頭で登校指導していただく。
◆柱3 安全対策の新たなアイデアを探る
・学習用具等の毎日持ち帰る持ち物の大幅削減を実現する。
(家庭学習帳以外は教科で指示。5教科の教科書も授業進度等により、教室等学校保管可とする。)
・保護者送迎に対し、逆に利便を図る。
8 なぜ働き方改革が必要なのか======
◆1 教師の健康への影響
●教師の過労死が相次いでいる。
●精神疾患者も年も1万人超(1ヶ月以上の病休取得者、休職者)
◆2 教育への影響(生徒への影響)
●心身が疲弊してよい授業にならない。
●AI(人工知能)等が便利になる時代、教師がクリエイティブに深く思考する時間がなくては、子どもたちの思考力や創造力が高まる教育活動にならない。
◆3 人材獲得への影響
●ワークライフバランス度外視な職場のままでは優秀な人材は来ない。
●すでに人材獲得競争の時代。
【出展:妹尾昌俊氏の著作より】
→より高い効果が見込まれる教育活動に集中して力を注ぐ。
※軽重をつける。現在の業務は多すぎるのでスクラップ&スクラップも必要。